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 CLANNAD シナリオ考察 
1度完全にクリアしただけでは100%理解できない、CLANNADの難解なストーリー中心の考察ページです。キャラクター考察と対応している箇所もあるため合わせて読んで頂ければと理解度も高まります。また、考察文はネタバレ度120%の内容となっています。必ずすべてクリアしてから読んで下さい。考察文に関しては、著者(管理人)の推察も含まれているため、真の意味での答えは作者であるKey/ビジュアルアーツ様しか分からない事でもありますが、全部クリアして謎に思った方も多いと思うあの場面やあの出来事の補完に役立てて頂ければ幸いです。


【考察タイトル】

1.幻想世界について~幻想世界の時系列~
2.幻想世界について~幻想世界と本編の繋がり~
3.幻想世界について~幻想世界の僕と少女は?~
4.幻想世界と現実世界の円環的構造の周到さ
5.幻想世界を読み解く鍵
6.タイトル画面の謎、あの少女は?
7.伊吹風子というキャラクター




1.幻想世界について~幻想世界の時系列~
幻想世界・・。CLANNADを全部クリアした方も幻想世界の立ち位置や幻想世界の少女、ガラクタである僕の存在について理解できてない人が多いことだろうと思います。まずシナリオ考察の一番目のコラムで幻想世界の時系列ついて考えてみます。
幻想世界は学園編でI~Xが発生し、AFTER STORY中にXI・XIIが発生しますが、幻想世界I~XIIとナンバリングされている事からも分かるように、I~XIIまで順に幻想世界の中での時系列順になっています。幻想世界は物語の途中に少しずつ挟まれるため内容が理解しにくですが、幻想世界の内容をよく理解するためには幻想世界だけ順番通りテキストを読むと分かりやすいと思います。
2.幻想世界について~幻想世界と本編の繋がり~
幻想世界と本編の繋がりについて。ここでいう本編とは学園編スタートからAFTER STORY終了までの事を表してます。幻想世界を理解する上で、決定的な描写は幻想世界XIIに多く存在します。幻想世界I~幻想世界XIは後のコラムで細かく見ていきますが、僕が幻想世界(以下 この世界)に意識として存在し、少女がガラクタという意識を入れる(命を吹き込む)物を作り、僕がこの世界に生まれ落ちます。初めは少女と過ごす事で日々を過ごしますが、僕はガラクタで物を作る事ができる少女といろいろな物を作って遊ぶようになります。僕は昔の記憶の事を覚えており、違う世界(向こうの世界)にいたという感覚を覚えています。そしてこの世界に冬が近づく頃になると少女が徐々に自由に動くことができなくなり、僕は少女を連れて向こうの世界に行こうと旅立つ事になります。
そして幻想世界XIIで彼女はいろいろなことを思い出します。”…わたしはもうすぐ人じゃなくなるから。” ”…いろいろなことがわかったの。” ”わたしも…昔は遠い世界にいた…。” ”…きみが居た世界と同じ世界に。”という文章から、幻想世界の少女と僕は、昔は幻想世界と別の世界に二人とも存在していたことが分かります。少女は僕に 1人で向こうの世界に行ってきて と言います。その場所は”向こうの世界で、いろんな物事が始まる前の…大切な日に目覚めるの…” これは、朋也が渚と出会う日 渚が学校の坂の下で立ち尽くしている日の事を指している事が後の描写で分かってきます。
さらに少女は向こうの世界に行く時の条件を言います。”でも、ここでの記憶は何ひとつ持っていけない…”これは今までの記憶については一切持って行けない。
⇒何をするべきか、何をしないといけないかという事はすべて忘れてしまっている状態で、一からやり直さないといけない。これは朋也が過去に渚を失っている事を意味しています。
さらに少女はこう続けます。”…だから、またすべては同じ結果になってしまうかもしれない…”
⇒あの大事な日からやり直しても、また渚を失ってしまうかもしれないという事を意味しています。
さらに少女はこう続けます”もし助けたい人がいるなら、向こうの世界で光を探して”
⇒プレイヤー側の視点でいうところの、渚を助けるにはシナリオをクリアして光の玉を集めてほしいという意味です。
⇒光の玉を集め、それでも渚が助けられなれば再度幻想世界に戻り、そしてまた大切な日からやり直し、それを繰り返し行っていると推測することができます。
 幻想世界 ⇒ 本編で光の玉を集める ⇒ 幻想世界 という作業が大切な人(渚)を助けられるまで続けられる。という事です。
3.幻想世界について~幻想世界の僕と少女は?~
幻想世界XIIの最後の部分。 ”そして僕は昔の記憶を取り戻した。”だんごっ、だんごっっと歌う小さな家族の記憶”
⇒ここで僕の存在が朋也であることが分かります。
さらにその後の少女が発言”…さようなら…パパっ”という描写から少女が汐であることが推測できます。また単に汐ではなく、汐と渚の人格を有する者(この町全体)これは、”AFTER STORY中で秋生が死にかけの渚を救った際にこの場所(町)が渚と繋がっていると感じる”と描写されている事から推測でき、渚が汐を産んだ際にそれが移ってしまった事も推測できます。これ以降は幻想世界の少女を単に汐(または渚と考えていきます)。
僕は向こうの世界に少女も連れていきたいと願うのですが”少女がいなくなるとこの世界は失われ、たくさんの光がきっと不幸になる。”…この世界だった。”という描写から分かるように、幻想世界を作り上げている(意志)のは汐であり、汐がこの世界から居なくなると幻想世界そのもの(渚を助けるための懸け橋)が失われてしまう事になります。
4.幻想世界と現実世界の円環的構造の周到さ
幻想世界と現実世界の円環的構造の周到さについては、コラム2での言及の通りだが、ここでいう”周到さ”とは、作り手が初めから、これ(円環的構造)を想定して作っていたものだと思わせるニュアンスが少なくとも2カ所は存在するという点である。
まず一つ目。幻想世界の描写のリンク。幻想世界の一番最後の描写となる幻想世界XIIの冒頭はこう始まる。
『一面、白い世界…』『……』『雪…』『そう、雪だ。』 以下略
そしてゲームスタートのプロローグである幻想世界の冒頭はこう始まる。
『一面、白い世界…』『……』『雪…』『そう、雪だ。』 以下略
という一字一句違わない文章で始まる。
そして二つ目。現実世界の朋也の第一声。”この町は嫌いだ。忘れたい思い出が染みついた場所だから。”幻想世界XIIの内容を理解せずにさらっと読み流してしまうと、この文章は、単に学校生活(部活動)での挫折や父親との確執について示している文章であることには違いないが、昔、この町で渚を失ったという出来事も表していることが読み取れる。一点目の幻想世界の最初と最後のリンク。そして朋也の第一声。この二点から円環的構造に関しては周到に準備されていたものだと理解できる。
5.幻想世界を読み解く鍵
このコラムは考察文ではありませんが、幻想世界を読み解く鍵となる”けもの”の存在について言及します。考察文ではないというのは、作り手である麻枝准さんがインタビューにて『けもの=人工物』ですと明確に発言しているからです。よって”けもの”が草を食べる=開発(工事によって町がどんどん新しく作りかえられる描写)という現実世界と幻想世界の表裏のリンクと読み取ることができます。幻想世界の少女があるシーンで”けもの”を抱えた際に”優しい匂いがした”という描写があります。あの人工物は現実世界のだんご大家族のクッションであるということも明確にされています。渚の匂いが染み付いたクッション。この表現からも幻想世界の少女が汐と同じ人格を有する者だと推測できます。
6.タイトル画面の謎、あの少女は?
タイトル画面の謎。朋也が光の玉を集めると、そこの木の根の傍らに光の玉が集まってるように表現されています。そして光の玉を13個集めて、渚トゥルーEDを迎えることによって光の玉が13個あった場所に謎の少女が・・・。では、あの少女は一体?渚トゥルーEDの公子・風子エピソードの
『匂いがします』『誰かがいます』『きっと…風子に会いにきたんです』『そこで眠っています』『誰かに起こされるのを待ってるんです』『あそこに”生えている木の下”です』”汐ちゃんですっ。”
と風子によって明確にされた後、タイトル画面が、木の根本に少女が横たわる姿にかわります。風子によって明確にされていますが、あの少女が汐と推測できるのは、タイトル画面のBGM”汐”という曲名からも推測ができます。
では、あのタイトル画面の場所は?秋生が昔”死にかけの渚を救った場所”。そしてその場所に新しく病院ができるから建設中の工事が行われているというシーンがあり、トゥルーEDの風子・公子エピソード内で汐を発見したのは、病院のすぐ傍であることから、タイトル画面は”秋生が死にかけの渚を救った場所”であると推測できます。ちなみにゲーム中ではその場所の描写は、工事中の背景として描かれており、タイトル画面と風景の描写が違いますが、TVアニメAFTER STORY中の同じ場面で、緑溢れるタイトル画面の、あの場所に渚を抱えてる秋生が描かれており、ここからも推測することができます。
では、風子・公子は本当にあの病院に行ったのか?と疑問がわきますが、町に対する描写として”でも、隣町まで出ないと、問診できる病院がないなんてなぁ…”という本編中の描写と、トゥルーED後の学校の通学路前での公子さんの台詞『ほら、もう病院、すぐそこだよ?』から病院は、この町に新しくできた、建設中だった病院だと確信できます。

タイトル画面の謎としてもう一点。光を収集するとそこの木の根の傍らに光の玉が集まってる表現。
幻想世界 ⇒ 現実世界(学園編やAFTER STORYを通じて光の玉を収集) ⇒ 幻想世界
というループ構造(円環的構造)の中で現実世界に朋也が再び向かった際に、記憶や時間はあの始まりの場所からすべてリセットされているのに、後に病院が建つあの場所には時間的なリセット概念がないのはお気づきだろうか?収集することにって光が増えていくあの場所は周回プレイを重ねても、常に時間軸はリセットされておらず、あの場所は円環的構造からは外れた、幻想世界と現実世界を結ぶ外周部分だと推測することができる。では、あの少女は本当に汐なのか?という部分だが、これはゲーム本編中以外の公式アナザーストーリー【光見守る坂道で】で麻枝准さんが書いたシナリオで補完することができる。そこからの解釈を辿ると
光の玉を13個集めて渚を救う ⇒ 結果として幻想世界の少女(町全体)も活力を取り戻す ⇒後に幻想世界の少女を転生させることができる。 ⇒ 幼少の頃 汐は神隠しにあう。 ⇒ その際に幻想世界の少女が汐と完全に同化する と推測できます。これを裏付けるように、TVアニメCLANNAD/CLANNAD AFTER STORYでビジュアルが描かれている幻想世界の少女が、あの木の根本に横たわる少女と完全にキャラクターデザインが一致している点から推測できます。
さらに驚愕の点なのだが、アニメ第一期のOPの冒頭で風子が汐を見つけるシーンを描いている事から、最後の場面を最初に持ってくるという円環的構造を表現している点は、恐るべし京都アニメーションといったところであろう。
7.伊吹風子というキャラクター
では、最後のコラムで伊吹風子というキャラクターについて言及する。伊吹風子というキャラクターは神出鬼没で掴みどころがないキャラクターだと多くの読者が感じる事であろう。しかし、物語の重要シーンには特に風子が絡むエピソードが多く、伊吹風子というキャラクターの重要性を感じ取ることができる。伊吹風子の重要性に関しては決定的な文章が本編中を通して特に明確とされていないため、これを読んだ方にそれぞれに感じて考えてほしい。伊吹風子エピソードには古河渚が重要キャラクターとして存在しており、古河渚との微妙な関連(リンク)が書かれている。学園編風子シナリオの4月26日のシーンとAFTER STORYの風子に初めて会ったシーンはこう描かれている。

【4月26日(学園編風子固有エピソード冒頭)】          【AFTER STORY公園でのシーン】
”手のひらを風子の頭に載せてやる。              その頭に手を置いて、訊く。
風子『わっ…』 ぱっと、手で払いのけられる。        ばっ、思い切り、手ではね除けられる。
朋也『くそ…』 もう一度、載せる。                もう1度、ひょいと手を載せる。 ばっ。
再び手が伸びてくるが、今度はそれをひょいとよけて、   またはね除けられる。
載せ直す。ばっ、ひょい、ばっ、ひょい、ばっ、ひょい。    ひょい、ばっ、ひょい、ばっ……。
何度払おうとしても、俺の手はどかない。           風子『わーっ』どんっ。体当たりをかまし、
風子『わーっ』 どんっ。体当たりをかまし、       そのまま女の子は公園の隅まで走っていった。
そのまま風子は部屋の隅まで駆けていった。        朋也『なんだよっ…』 風子『ふーっ…!』
                                    遠くから威嚇されている…。
                                    なぜか不思議と、懐かしい感覚…。

と風子固有エピソードの両冒頭シーンで同じ表現がなされているが、4月15日の渚とのシーンでもこういったシーンが存在するのである。

ぽむ、と彼女の小さな頭に手を置く。
古河「あ…いらっしゃったんですか」 朋也「ああ、悪いな。見てた」
古河「頭の手は…なんですか?」 朋也「いや、別に」
古河「そうですか…」 朋也「ああ」
しばらく彼女は呆然と、俺はその後ろで彼女の頭に手を置いて、ふたり立ち尽くしていた。端から見れば、おかしなふたりだっただろう。

さらに、AFTER STORY中の風子が岡崎朋也のアパートに訪問した際に
風子『岡崎さんは、奥さんをなくされてるそうですね』 朋也『ああ、そうだよ』
風子『風子にその面影を重ねてしまうのも無理はないです』
・・・途中略・・・
風子『風子、奥さんと面影が重なってしまいますか』
という2つのシーンから古河渚との共通点を特に感じ取ることができる。
風子の光の玉は伊吹風子シナリオで収集することができず、AFTER STORY中で収集され、渚シナリオ中で風子のため、収集した光の玉を使うという”光の玉消滅イベント”が発生する。光の玉のやりとりや、円環構造の外周部分で記憶が微妙に繋がっている点は風子にだけ特徴的に描かれており、渚との関連性、風子の重要性が示唆されている。
風子というキャラクターの重要性は以下の2点からも理解することができる。
【AFTER STORY公園での風子のセリフ】
『怒ったので、この子をこのまま連れて帰ります』
【アパートでの風子のセリフ】
『風子は、汐ちゃんを連れ戻しにきただけです』『では、帰りましょう』
別れ際のシーン『どうしても、連れて帰りたいんですっ!』『もう、汐ちゃんの匂いまで記憶したので、近くにいたらわかります』
特筆すべきなのは”連れ戻しにきた”という内容。そしてこの後、朋也と汐は悲劇的な結末を迎える事になるのだが、風子はこの結末を知っていたのではないか?それを知った上で風子は岡崎家を訪問し自分のやり方で汐を助けようとしたのではないか。そして渚トゥルーEDでは病院で汐を見つけるシーンは”風子”というキャラクターが見つけるのである。
もう1点は風子シナリオで風子が木彫りのヒトデを渡した人から風子の記憶を忘れられてしまうという点である。このことから、風子は円環構造上の町の内部、外部に行き来できる存在ではないかと推察することができる。これらはすべて管理人の推察であるが、伊吹風子というキャラクターが物語上に及ぼす重要度は特に高いものであると理解できる。




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